2010年12月17日金曜日

生きた英会話。

そんなこんなでロサンゼルス旅行も一人とて死ぬことなく全員無事に帰国。

実際に地球の裏側で生活している人達を目の当たりにしてしまった僕は、「なんとしても人生で一回ぐらいは住んでみたい病」が体中に転移してしまっていたのだけれども、それに先立って「えいご」がゼーンゼン喋れないことに気がついたんっすよねぇ。

だってあなた、なんつったって、なんでも「パードン?」だからね。『まぁ、俺のことは「ミスターパードン」とでも呼んでくれ、フフ…』なんて言ってる場合じゃなくて、せっかくだけど英会話が無理ならアンタ無理だわ、って半ば諦めムードが足元からドンヨリを漂い始めた丁度その時期、まったくナイスなタイミングで今度は「社員旅行」ではなく「仕事」としてロスに出張となったのですよ、これが。

っで、またまたやってきました、ロサァ〜ンゼルス。
前に来た時と、まぁーったく変わってない青い空、歩いているのはみな外人、相変わらずの右側車線。思わず「う〜ん、ただいま」って、「だけどズウズウしいったらありゃしない、まだ2回しか来てないのに」そう心ん中で自答しちゃうほど興奮してたんですなぁ、僕は。
だがしかーししかーししかーし、やっぱ英語が出てこんのですわ、エーゴが。
車の仕入れもあるから、査定するときに聞かんきゃならんことが結構あるのに「パードン?」もねぇべよぉ〜、って考えると「あ、アイ、すっ、スピーク、いっ、インディアン…」ってな具合になっちゃう。めちゃくちゃナーバス。「ん〜、…ナーバス」って、知ってる人しかわかんないジジィギャグで自分をリラックスさせてるしか方法がなかったんですな。
でね、実は僕が勤めさせてもらっていた会社はロス支社があって、そこの支社長(日本人)に通訳してもらうことになったんですよ。
「支社長、このコルベット、いいんですけど、ここんとこ、ね?フロントウインドウのここんとこに飛び石の傷が入ってるでしょ?だからこのウィンドウガラスの交換って、いくらになるのか聞いてもらえませんか?」
「オーケーオーケー!だけどオマエさぁ、それくらいは話せるようになっとけよ、ったく!」
さすが、ロス在住のロス支社長、こんなレベルは朝飯前なんだなぁ、やっぱそれくらいじゃないと住めんのだなぁ…。と感心すると同時に落ち込んでいた僕のその前で、
「ディス ウィンドウ ノ チェンジ ハ ハウマッチ ダ ?」
って、でかい声で白人に聞いている支社長の言葉が耳に入って、最初は理解できなかったんだけど、よーく、よぉ〜く頭ん中でリピートしてみると、「今言ったのって、文法になってんの?全部英語だったいま?いいの?あんなんで?」って疑問が沸々と沸いてきて、「あれだったら、俺にも言えるんでないかい?」っていう、「自信」っていうよりも「ショック」の方がデカくって、「おいおい、アメリカ君が向こうから近づいてきたぞコリャ!」って大きな勘違いを勝手にしちゃって、すっかりその気になり始めたのです。

2010年12月15日水曜日

暗黒街。

「あー、俺って俺ってアメリカン…」みたいな勘違いをバリバリにしながらの夕食アメリカじゃディナーだべさをとった後、オノボリ8人がシボレーアストロに乗り込んで、天下無敵のHollywoodに繰り出しまして、んで、「どろんこプロレス」を嫌々見学してきたんだけど、そこでなんと、僕は「IDパスポートね」を持ってきてなくて、店のセキュリティーに「ID…」って言われて、「No…」みたいな返事をしたら、「$50」って返してきて、得意技の「パードン?」ってやってたら、先輩が「身分証明ないんだったら50ドル払えってよ」って通訳してくれて、「50ドルっすかぁ、…はらいます」払いましたよ。50ドル。(嫌々だったら払うかフツウ、って思ってるでしょ?)今から考えたら、カモネギもいいとこ。自慢じゃないっすけど、ここにきて生まれてはじめてカツアゲされましたわ、ほんと、シビレタ。
そんなこんなでこの店は非常にイイ思いをさせていただいたんだけど、問題はその帰り。
HollywoodからTorranceって街(ご存知の方なら物凄く遠いの知ってますよね)の宿泊ホテルまで「101フリーウェイ」を南下したあと「110フリーウェイ」に乗り換えて、それをまた南下するんだけど、その「110フリーウェイ」の途中で突然、フリーウェイを降ろされちゃったんです。しかも夜中の1時過ぎ。「えー!なんでぇ?」っと思ったら、道路工事中だって。夜中の1時過ぎだぜー!
「あららぁ〜、せっかくいい気分だったのになんですのー?」って、のほほんとしていたら、運転手をしていただいた、ご当地に詳しい先輩が「おぉー!やべ、やべぇーぞー!ここ、ワッツだぁぁ!」って焦ってて、「何ワッツ?」って電球の明るさかと思ったら、「おまえら、あのよぉ、ここ、この間、暴動あった中心だぞぉ!」って。
「暴動」とは、あの「ロス暴動」の「暴動」。
そんぞそこらの「暴動」とは「暴動」のレベルがちゃうんですわなぁ、これが。「ハイレベル危機百発暴動」こんな時間に、こんな宇宙最大危険なロケーションの真ん中に平気で降ろしちゃうんだから、アメリカって鈍感な奴が多いっつーか、ワザと犯罪を起こさせたいの?っつーか。
「だげどイイの、それでも、許しちゃう。だってアメリカ好きなんだもーん」何か文句あんのかよ、え?

っでね、一般道に下りてみると、駐車場のあちこちで黒人が屯してるし、道路は道路で黒人2,3人がトロトロ横断してるし、霧はすごいし、このままだと俺たち8人、ここにいる黒人たちにケツ掘られた挙句に銃で撃たれてオッチンじゃうんじゃないか?っていう恐怖心が沸いてきて、そうなったらマッポ(オマワリ様)に捕まった方が安全だろってことで、即爆走、即信号無視。
交通違反に関しては、元暴走族特攻隊長現在先輩上司である運転担当様が、サウスセントラル地区をぶっちぎってると「405フリーウェイ」の看板を見つけて、「かえるぞぉ!やろーどもぉ!」「おぉー!」みたいな、とても素晴らしい頼もしいワンダフルな歴史的瞬間を迎えて、無事ホテルへ戻ることができたのでした。
みなさんねぇ、もしもロス来たら、ワッツはやばいっすよ、ほんと、ワッツは。
だけどね、これまだ旅行の話しですからね、まだ。
こんなことを経験しているのにもかかわらず、「あぁ…なんて刺激的なんでしょ、ここアメリカって…住みたい…」って、もうどうなってもいいから何としても一度住んでみたくなってしまったんっすよ、僕は。